JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」が地球に落としたカプセルの一部を見る機会に恵まれた.さすがに展示会場は大変混雑しており,1~2分しか見ることはできなかったが,それでも本当に宇宙から戻ってきたカプセルを見るのはそれだけで感慨深いものがあった.最も印象的だったのは背面ヒートシールドであった.また,パラシュートが往復の長い行程に耐え,機能した状態で戻ってきたのも驚きだった.
「はやぶさ」を動かしていたソフトウェアはどのようなものだったのか.そしてそれを支えた技術はどのように機能したのか.きっと広義のフォールトトレランスを実現していたのだろう.過酷な条件に耐えるためのソフトウェアには,停止は許されないからだ.異常発生時には確実に全体を再起動させるコードも組み込まれていたに違いない.
打たれ強いソフトウェア・システムを作るにはどうすればよいのか.そんなことを背面ヒートシールドを見ながら考えている.