ロンドン・オリンピックも終わったので,テレビを見るのをまた止めることにした.
(後日談: その後2012年12月下旬に家族の要請で地上波とBS放送は復活させた.ケーブルテレビは経費がかかるので見ていない.詳細は別記事にて.)
過去の記録では,2004年ごろから2008年3月までケーブルテレビ(CATV)を契約していたらしい.その後しばらく止めていたが,2011年11月に再びCATVを契約した.どうしても有料のクラシックの番組が見たいという妻の要望,そして天気予報や災害情報などはラジオだけでは俯瞰的につかみにくいということもあった.テレビ放送というのは人間を無批判無思考にする傾向があるが,これで仕事のストレスも少しは緩和されるかという淡い期待もあった.中波ラジオの受信アンテナを維持することが難しく,日本国内の状況を知るのに使っていたNHKラジオ第1放送が家のFM/AMチューナーアンプでまともに受信できない状態が続いたことも理由の1つだ.
しかし,テレビ放送の煽りぶりは,ラジオ放送と比較してみるとすごい.NHK総合テレビですら,NHKラジオ第1放送に比べるとかなり強烈に煽っているというか,要は無駄にテンションが高いのだ.そういうのが嫌なこともあって,ロンドン・オリンピックの女子マラソン中継は別の民放局が流していたが,音声はNHKラジオ第1放送のものにしていた.とはいえ,あのオリンピック期間中に,いったい何度タイアップ曲をNHKは流したことか.
ちなみに,オリンピックそのものは,http://www.london2012.com/からの情報を見ていれば,試合について確実かつ正確な状況がわかった.日本語にローカライズされていないのは不便かもしれないが,それだけのことである.生動画が多くの国や地域でテレビ放送各社に独占されていることを除けば,問題にはならない.(生動画自体も,一部の国や地域ではYouTube経由で見ることができたようだが.)
4年前に止めたときとは違い,今はテレビや動画を全否定するつもりはない.災害時の一斉放送などテレビならではの役割はあると思う.しかし,月にかなりの金額を払ってまで娯楽のために契約するものではないようにも思う.人によって金額の基準はもちろん違うだろうが.ましてや昨年の大震災以降,家計に緊縮財政が要求される事態となれば,最初に削減の対象にせざるを得ないということで妻とは合意に達した.
実際,有料のオプション放送であっても,期待外れのことも多い.妻に求められて契約したクラシック番組のチャンネルも,実は半年ぐらいの周期で延々と同じ番組を繰り返して放送していたり,(妻が好きではない)人気のオペラ歌手に絞っていたりするなど,残念ながら満足のいくものではなかったようだ.私もCNN/USを契約したが,これはCNN/US HDの画質を落として再配信していることもあり,広告が入っていないことを除くと,どれだけ意味のある契約だったかはわからない.
なお,ワンセグケータイは昨年の大震災の時に活躍してくれたこともあり,NHKの地上波契約は継続するつもりである.もし仮にどうしても天気予報と地域のニュースが見たければ,地デジチューナを調達すれば済む話でもある.最近は随分価格も下がった.
そして,中波ラジオは,エアバンド受信用のアンテナから信号を分配することで無事受信できるようになった.こんなことをするのは,家の中の電磁ノイズ源があまりに多く,室内のループアンテナではノイズを排除できないのが原因である.
なにはともあれ,映像の刺激はすごい.この9ヶ月近く,テレビを見ていて疲れてしまった感は否めない.動画疲れである.テレビ放送は早送りも巻き戻しもできないのがつらい.それだけ私も妻も,加齢が進んだことを自覚せざるを得ない.我々のリソースやエネルギーは無限ではない.テレビを止めることで,静かに思考する時間,そして創造する時間を,また取り戻すことができれば,運が良かったというべきだろう.