先週2015年2月5日金曜日に、横浜にてCROSS2016というソフト屋/Web屋さんのためのイベントがあったので、行ってきた。アンカンファレンスではACM Erlang Workshop 2016とErlang Factory SF Bay 2016の話もしてきた。
CROSS2016には個人スポンサーとして参加した。これは自分のいた会社の元同僚が登壇者として出ていたこと、そして広告を出していただける珍しい機会だったことが理由だ。あと、登壇者の中にはずっと会いたかった人達がいたので、挨拶をしておきたかったというのも理由だった。(言い換えれば、そういう理由がない限り、自分が主たる登壇者にならないようなイベントに行くことは最近はまずなくなりつつある。)
各セッションの内容についての感想は以下の通り(プログラム)。
- 労使の本音バトル: これはノーチラステクノロジーズの神林さんが言っていることがいちいち腑に落ちていて、結局 ship or die あるいは release or quit でしかないという感想しかなかった。別に何をやっていてもいいのだが、納期が守れないとどうにもならない。もちろん私も納期をトばしてしまったことは25年前ぐらいには何度かあったので他所様のことはいえないが。仕事を楽しくできることはもちろん大事なことだが、一度仕事を受けたら完結させるしかないというのは楽しい云々以前の問題だろうと思う。
- 業務システムをRDBなしで作れるのか: このセッションは事前の資料なしには理解できない内容だったが、RDBなし、というのは、トランザクションを他のやり方で実現、あるいは担保するしかない、という基本に忠実な発表だったと思う。
- 先達に聞くこれからのエンジニア像(この記事に概要がある): 登壇者の御三方の論調は予想できていたし、まあ率直な話勉強会にすら行かせてもらえないような会社で仕事なんかしたくないだろうなあとは私も強く思うのだけど(そういう制約がイヤで結局組織人としての人生を23年間で止めてしまったわけだし)、それが世間の常識と強弁できるほど世の中は甘くもないだろうなあという感想もあった。まあ日本には職業選択の自由と移動の自由が基本的人権としてあるはずなので、それを行使するもしないも個人次第だとは思う。伊勢さんの「死ぬわけじゃないんだからいいじゃん」というのには大いに笑った。怒られても殺されるようなことはない、というのはその通りだし。(もっとも、私は死にそうな目に遭ったこともあるので、死にそうになったら辞めるなり逃げるなり休むなりしたほうがいい、ということは強調しておく。)
- 日本でのグローバルなプロダクトやサービスの開発とは: モデレーターの小野さんは登壇者の4人を御すのが大変だったろうと思うが(4人ともとても優秀な人達なので)、見事にリードしておられましたね。まあ、世界中で使ってもらえないようなプロダクトをOSSで作ってもしょうがないので、公開するOSSは全部英語でドキュメント作るべき、とは思う。OSSでなくて、特定のお客さんから日本語で作れという要請があれば、日本語でやればいいけど。あと、会場で時差の話が出ていたが、それについてはこのQiitaの記事に言いたいことは一通り書いているので、ぜひ読んでいただければ嬉しい。
- アンカンファレンスではこのスライドの通り話をしました。終了後声をかけていただけたのはありがたい限り。
イベント全体はそれなりに良く運営されていたと思うのだけど、1つ苦言を呈するとすれば、会場の音響がメチャクチャで複数のセッションのPAスピーカーからの音が激しく干渉してロクに各セッションの音が聞こえない状態だったのは、とても残念だった。これだと何のためにイベントをやっているのかわからないので、音響の問題は次回はぜひ改善していただきたいと思う。あと、A会場/B会場では、照明の関係で話者の顔が見えないという指摘が知人からあった(その通りだと思う)。
ともあれ、今回は会うべき人達には皆ご挨拶できたし、それなりに楽しめたので、スポンサーシップを提供した意義はあったと思う。来年はぜひ音響面だけは改善してより良いイベントになることを期待したい。